今日のオキアミ漁場

南緯63度、西経60度、南極半島の様子です。左側に黒く見えるはチリの南極観測基地です。オキアミ操業中直接関わることはありませんが、事故や急病人が出た時には助けてもらうこともあります。南極半島には各国の南極観測基地があり、中には飛行場を持ったところもあり、いざという時に頼りになります。
実際に見ると心を洗われるように美しいです。でもこの海域でオーロラを見ることは余りありません。現在の気温は-1℃、海水温度は-1.4度です。きれいな海ですが、落ちたらアウトです。
ここしばらくバラケ氷が海面を覆いつくし、オキアミ操業、曳網が制限されていましたが、ここにきて北の風が吹き、氷が南極半島側に押し寄せられたことより、漁場が開けました。いつ風向きが変わるか分かりませんので、今が漁獲のチャンスです。
これは昨日、6月6日に漁獲されたオキアミです。L~LL主体ですが、3Lサイズ、Mサイズ品も散見されます。過去オキアミの群れが大きく、単一サイズ(例えばLLサイズ)の漁獲もありましたが、近年では温暖化や気象、海況の変化、オキアミ船による漁獲が原因なのか、写真のように各サイズのオキアミが混じる傾向にあります。そのため、船長はできるだけ大型の単一サイズの魚体を求めて、周囲の氷や同業船に注意を払いつつ、日夜、魚探、ソナーを睨み、格闘しています。